aru_hikari

忘れないように

その窓の向こう側

 

闇を越え 駆けてゆく

外は通り雨

 

騒ぎ出す 高鳴りを

胸に忍ばせて

 

もし君がいるのなら

望むのならば

その窓を開けてくれ

あの日のように

 

 

あてのない旅の朝に

出会ったブーゲンビリア

鮮やかに燃えていたんだ

 

南風に撫でられて

揺れたテーブルクロスの

上でコーヒーをかき混ぜた

 

時は過ぎゆく

二度と戻らない

ときめく瞳

叶わない恋

 

あの空に浮かぶのは

誰の幻かい

なあ 友よ

心して頷いてくれよ

 

もし君が泣くのなら

嘆くのならば

何度でも会いにゆくよ

あの日のように

 

 

裸足のままで 飛び出した 懐かしい家

色褪せても 悲しいほど 愛しい日々

小さな庭 錆びた車輪 バスケットリング

何もかもを 優しく染めて 沈んだ太陽

 

山の上に 星が光り 流れて消えた

慌てて目を閉じたけど 願いごとが浮かばない

 

あの時僕は感じた ここが世界の果てだと

そしていつかここから 出てゆく日が来ると

 

時は過ぎゆく

二度と戻らない

ときめく瞳

叶わない恋

 

 

闇を越え 駆けてゆく

外は通り雨

 

騒ぎ出す 高鳴りを

胸に忍ばせて

 

あの空に浮かぶのは

誰の幻かい

なあ 友よ

心して頷いてくれよ

 

もし君がいるのなら

望むのならば

何度でも会いにゆくよ

あの日のように

 

この窓の向こう側へ

 

 

Written by 小山田壮平